先日の日曜日に、比叡山坂本へ、紅葉を見に行って来ました。
ラジオやテレビで連日紅葉の話題ばかりで、世間から取り残された
ようで、どうせ行くなら 思い切って毎年訪れていた比叡山坂本へ行こうと
決めました。がしかし、以前は、車でしか行った事が無く、初めての電車での
訪問となる事に 少し緊張感があり、何十回も訪れたのに 初めて行くような
気持ちと、12月だというのに、あまり寒くならない予報もあって、今日一日が
とても素敵な日になりそうと 胸を躍らせて待ち合わせ場所に足取りも軽く
向かいました。
丁度私が駅に着いたと同時に、ガイドヘルパーさんも息を切らして階段を
駆け上がって来ました。
今回の旅、実はもう一つ思いがあって、私が健康だった時の思い出の上書き
が出来れば、と訳のわからない事を考えているうちに 電車がホームへ。
電車に乗ると、少し混んでいましたが、私達を見て「どうぞ」と声を
掛けていただき、この時点で今日も家の外に出て来て良かった、
と嬉しくなり、今回の僕の(オセロの旅)が走り始めました。
電車は1時間ほどで目的の坂本駅にあっという間に到着しました。駅の
下の道路は何回も通っているのに まるで初めて来たような感覚。
それが少しうれしく、また比叡山から流れて来る 少しヒヤッとした空気が
私達を出迎えてくれました。
駅を出てみると日曜日だというのに、人影もまばらで、京都にしなくて
良かったと ほっと胸をなでおろし、これなら歩きやすいと感じ、いよいよ
目的地に。
まず参道を登っているとヘルパーさんが、ここにお饅頭屋さんが、ここは発掘調査
と車からでは気が付かないお店などを話してくれその事がとても新鮮で、私の
期待は、ますます、膨らんで行きました。
そして 一の鳥居を通り過ぎ、二の鳥居へ、鳥居をくぐる前に大事なポイントが、まずは、鼻を利かせてみて下さい。
蕎麦つゆのいい香り、そうここに私が長年通った「日吉そば」が私を誘うようにのれんを掲げています。本当なら先に食べたいところですが はやるお腹を落ち着かせ


そして 二の鳥居をくぐります。するとそこには秋の風景が私達を
待ちうっけていました。(我慢して良かった)
まず 1300年前から在る苔むした野面積みの石垣、その上を紅葉がトンネルのようにするとヘルパーさんが「こっちに来て」と、そこには落葉の絨緞が・・・
思わず足踏みをしたのは、「ああ、秋だ」と音で秋を感じたかったからです。
もうその時点で、お蕎麦の事はすっかり忘れてしまい、冷たい晩秋の空気と一緒に
比叡山の空気を胸いっぱいに吸い込みました。
そしてそこから最初の目的地「竹林院」へ、拝観料を払い中に、ここは、坂本に
沢山ある里坊の一つで 母屋の中に一歩踏み入れれば今までの空気感とは一変し、
乾いた冷たい空気と 時間が止まったような静けさ、畳敷きの部屋から縁側へその
先には、日本庭園が、築山があり、その左側には、滝組があり左から紅葉が、そして
滝があり、築山 その前にはさつきがそして枝垂桜が配置され、時間の流れ 四季折々の
変化するであろう庭園を想像する事が出来、周りの人達の話し声もいつかは聞こえなくなり 時間の経過を忘れているほど、落ち着いた時間を体感する事が出来ました。


さていよいよ日吉大社へ、まずは三の鳥居をくぐって中へ、この鳥居は珍しく普通の鳥居とは変わっていて、上部に三角の飾りが有り、聞いた話では、2100年前平安京遷都の際には、この地が都の表鬼門(北東)あたる事から魔除けとして、今日に至るそうです そして ここから参道へ、その前に小川がありそこに架る橋の右と左で、全く趣も変
わり、一度立ち止まってから参道を登り始めます。
そこからは、幅10メートルは有るかと思はれる
立派な参道を左右の紅葉を楽しみながら、おさる様の
歓迎を受けながら、東西本宮を目指して登って行きます。


参道を登りきるとそこには、能舞台を中心に東本宮
西本宮が有り、当日は結婚式があったようで新郎新婦が
仲良さそうに記念写真を撮っていて、今日の旅に花を添えて
くれました。雰囲気にも 景色にも(ヘルパーさんの丁寧な説明)
もあって 十分満足して帰路に就く事と成りました。
ところで忘れていませんか、本日の一番の目当ては、お食事です。
楽しみは、後に 丁度お腹も空いてきました。

目の前には日吉そば、のれんをかきわけ奥の席に、私は決まって盛り蕎麦
おつゆにつけてツルツルと、あっという間に感触です
がしかし、この後にお楽しみが、そばつゆが出てくるのです
早速残りのおつゆの中に、お蕎麦の湯で汁を足し胃袋の中へ、先ほどの
冷たいお蕎麦が残る胃袋へ、そこに麺つゆと温かいそばつゆが混ぜ合わさり
胃袋に吸い込まれていきます。
これが美味しいのです。思わず3杯もいただき 大満足で店を出ました。
ただ、この店でのいち押しは、「古代蕎麦」と言って 温かいお蕎麦の上に
湯葉と生姜がのっていて 少し甘めのだしと相性抜群で、一度食べてみて
下さい。
さて、大満足で帰途に就くのですが、私は一人旅は経験あるのですが、
ガイドヘルパーさんとは、初めての経験でした。
もちろん一人旅も色々な人に助けていただき、声を掛けていただいたり
自分一人でもがいていた私に そうでは無いんだということを教えてくれた
そして目に障害があっても、楽しく生きていけるんだ、と感じる事が出来ました。
そうして今回ヘルパーさんとの日帰り旅行、細かく状況を伝えていただき、安心して
歩く事が出来、目が見えているようなそんな錯覚を想わせる一日と成りました。
そもそも今、私がどうして明るく、楽しく毎日を過ごす事が出来ているのか
たまに不思議そうに言われる事もあります。
ただ初めからそうだった訳ではありませんでした。
しかし私はもう一度 スキーがしたくて悩みました。
白杖を持つのがとても嫌だった私ですが、そうは言ってられませんでした。
ただ結果的にその思いが目標になり一日一日を過ごす事が出来ました。
そうして色々な方達と出会い、決して一人では無いんだと思い、また
自分から積極てきに動いて行かなければ、何も変わらないんだと感じました。
そして私もスポーツがきっかけで 今のように楽しく時間を過ごせる様に
なったので、まずは目標を、それも自分に合ったものから、あそこの店に
行きたい、いや最初から日本一周なんて初めから無理だと決めずに、
過ごしてみてはいかがでしょう。
そしてみんなの体験談を色んな人に話してみませんか。
私もいろんな話を聞いてみたいです。
合言葉は、ひとりでは無く、みんなで・・・。